『イカリエ-XB1/Ikarie XB 1』UK版DVD



1963年、チェコスロヴァキア(当時)のSF映画です。
allcinemaによると「劇場未公開・NHK衛星第2で放映」となっているので、ご覧になった方も多いかと思いますが、私はこのDVDで初めて見ました。
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「西側」では"Voyage to the End of the Universe"という題で、アメリカの配給会社が改変した英語吹替版で知られていたらしいのですが、このDVDは無修正オリジナル版です。

原作は(なぜかクレジットにはないのですが)スタニスワフ・レム『マゼラン星雲』ですが、それも読んだことがありません。


パッケージ
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安っぽくなく清潔感のあるデザインで、気に入っています。


ブックレット (20ページ)
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写真以外はほぼ全てマイケル・ブルックの解説ですが、これは非常に情報量が豊富です。
共産圏全体でのSF映画の歴史や位置づけ、チェコスロヴァキアでのSF映画、本作の公開前後の事情、監督の作品歴、公開当時の評判、アメリカ公開の際に行われた変更、その後の影響、などが書かれており、読み応えがあります。
(一部は発売元のサイトで読むことができます。)


基本仕様

リージョンコード: ALL [*1]
映像: PAL 2.35:1 16:9対応(スクィーズ)
音声: チェコ語 モノ (リストア処理が施されています)
字幕: 英語(非表示可)
時間: 83分

*1: リージョンコードはパッケージにもディスクにも明記されていませんが、
発売元のSecond Runの商品情報ページでは「0」となっています。
実際、リージョンコードの選択が可能なDVDプレーヤーで、1、2、3で再生可能なことは確認しました。


メニュー画面

Second RunがYouTubeに公開している発売予告映像がありますが
メニュー操作が可能になる前にほぼこれと同じものが再生されます。


メインメニュー
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場面選択
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英語字幕表示例
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(注:この画像で画質を判断しないでください。)


特典: キム・ニューマンの解説(12分)

基本的にニューマンが喋る様子をただ撮っているだけですが時折公開当時のポスターなどが挿入されます。

内容は、ブックレットで語られていることの簡易版という感じもしますが、ブルックとは多少切り口が違うので、これはこれで面白かったです。

アメリカ版での修正について、結末が「マリオ・バーヴァの『バンパイアの惑星(Planet of the Vampire/Terrore Nello Spazio)』と同じようなものに変えられていた」と内容を説明しているのですが、結果的にここで『バンパイアの惑星』の結末をバラしていることになっているので、未見の方はご用心。(『バンパイアの惑星』についてはいずれあらためて書きたいと思っています。)



画質・音質

大変良いと思います。
一箇所だけ大きな汚れのようなものが一瞬見えましたが、それ以外の問題は全く気づきませんでした。


内容に対する感想

「面白そうだ」という期待よりは、「どんな映画なのだろうか」という好奇心から見た映画で、ある程度の退屈さを覚悟していたのですが、予想よりは楽しめました。

ネタバレにならないように詳しくは書きませんが、とにかくマジメに作られており、SF映画にありがちなドラマとしてのウソ臭さがあまり無いので、安心して見ていられます。(その点で『さよならジュピター』などは悲惨でした。)

前半はこれといった事件もなく、乗組員の生活を描いているだけで、あまり興味をそそるような人物や人間関係もないのでちょっと退屈です。

しかし、これが作られた当時には、こういう「長い宇宙旅行はこうなる」といった描写も新鮮だったのかもしれません。
2007年の『サンシャイン2057』でさえ最初の方はそんな展開でしたが、そう感じさせないだけの視覚的・音響的な面白さがありました。ということは、50年後に『サンシャイン』を見る人はやはりその部分を退屈だと感じるのかもしれません。
『ミッション・トゥ・マーズ』などは2000年の公開当時に既に「まだこんな描写をやっているのか」と唖然とさせられましたが。)

結末近くに起きる事件を最初にちょっと見せた後で、地球軌道上の衛星からの出発時点に戻るという構成になっているので、どうしてそういう事態に至ったのかを説明するのだろう、と思って見ていると、いくつかの事件を羅列するような形で冒頭とは直接関係のない話が続いたので、やや肩すかし。この構成にはちょっと疑問を感じます。

結末は私にはちょっと意外でした。物語の展開として予想できない、という意味での意外さではなく、あまりにもストレートだったので。ミステリで言えば、一番怪しい奴がそのまま犯人だった、みたいな意外さ。バカにしているわけではなく、「こんな終わらせ方は最近は見ないな」という意味では、私には新鮮でもありました。

『2001年宇宙の旅』の元ネタのように見える要素もありますし、
SFファンなら機会があれば見ておいて損はない映画でしょう。

[2015-02-01: 画像追加]
[2018-12-07: 商品リンク貼り直し]
[2018-12-07追記: 日本版BDが2018-12-26に発売。
]


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