『カジノロワイヤル』(1967)フランス版BD&US版DVD

フランス版BD


これも「メニュー言語の違いだけでディスクの中味は各国版とも同じ」というBDだろうという推測が当たり、フランス版BDにも日本語字幕が収録されていました。
画像

日本版は日本語吹替がないだけならまだしも、特典に日本語字幕を付けないという手抜き仕事で、しかも海外盤よりも高額とくれば、そんなもの絶対買うものか、という気になります。

しかし、それでもなぜフランス版を?と思われる方も多いでしょう。
実際、単品価格で見ればUK版などの方が安かったのですが、
たまたまBD3枚で1枚分割引というキャンペーンの対象になっていたので、
最後の一枚をこれにしました。
他の2枚は割引前の価格で買っても良いと思えるものだったので、気分としては本作はオマケでした。

フランス版でもタイトルは"Casino Royale"のままですし(元々フランス語ですし)、
UK版BDは一般的にケースがDVDと同じ厚さがあるので、本作には似合わない気がしたのも理由の一つでした。


パッケージ
画像

画像

封入物はありません。


基本仕様

パッケージに表記された「公式」の仕様は下記のようになっています。

リージョンコード: フリー (A/B/Cと明記されています。)
映像: 2.35:1
音声: 英語 dts-HD MA 5.1 / フランス語 DD 2.0 モノ
字幕: 英語SDH / フランス語
時間: 131分

が、後述のように実際には日本語字幕を含めもっと多くの言語が収録されています。


メニュー

やはりメニュー言語を日本語にしておけば日本語メニューが表示されました。
画像

内容はFoxの商品情報ページと同じで、日本語字幕があります。

- 日本語メニュー:
-- 音声: 英語 dts-HD MA 5.1
-- 字幕: 英語 / 日本語

他に英語・フランス語・ドイツ語のメニューを見てみましたが、
日本語メニュー以外は言語表記が変わるだけで内容はどれも同じでした。

- 英語/フランス語/ドイツ語メニュー:
--音声:
--- 英語 dts-HD MA 5.1
--- スペイン語 モノ
--- フランス語 DD 2.0 モノ
--- イタリア語 モノ
--- ドイツ語 モノ
--- カスティーリャ語 モノ
-- 字幕:
--- 英語SDH
--- スペイン語
--- フランス語
--- イタリア語
--- ドイツ語
--- カスティーリャ語
--- デンマーク語
--- オランダ語
--- フィンランド語
--- ノルウェー語
--- スウェーデン語

メニュー言語による違いを見たい方はこちらをご覧ください。


このBDはトップメニューがなく全てポップアップメニューで操作する方式ですが、
私はこの方式が大嫌いです。

言語の設定などをしないうちに本編が始まってしまい、
その設定をしている間も本編が進んでしまう。

この商品で言えば、メニューから音声解説を選んでいる間にも本編が進んでしまうから、解説が聞こえる状態になったらまた先頭に戻さないといけない。
これはまだ特典だから良いとしても、同じFoxの『サンシャイン2057』などは冒頭にちょっとした映像的な仕掛けがあったのに、ポップアップメニューで言語選択の操作中だったためにそこを楽しむことができませんでした。
一時停止にしてしまうとポップアップメニューの操作自体できなくなってしまうし。


そもそもポップアップメニューって、何か一つでも利点があるんでしょうか?
言語設定を変えたいとか、別な場面を選択するとかいう操作をしようという時に本編を見続けていたい、という理由が思いつきません。
どうしてもそうしたければプレーヤー側のメニューでもできることですし、むしろそちらの方が便利なことも多いです。

音楽ものなら、たとえば再生しながらPCMとDTSを切り替えて違いを即座に確認できるというような利点もあるかもしれませんが、音量レベルが急に変わったりするとオーディオ系に害がありそうですから、音声記録方式による音質の違いを気にするほどの人なら音声トラックを変更する時はいったん音量を下げるのが普通だと思うので、これもあまり意味がないと思います。


特典

- 音声解説: ジェイムズ・ボンド研究家スティーヴン・ジェイ・ルービン&ジョン・コーク
- メイキング(40分)
- オリジナル劇場予告編

これも日本版と同じ。
メニュー言語による違いはありません。

メイキングでは、ピーター・セラーズが引き起こしたトラブルなど、ネガティヴな話も多く語られていたので少し驚きました。
クライテリオンなど第三者的な立場ではなく、映画会社が製作したものとしては珍しいように思います。元々はFoxの映画ではないからでしょうか。

オーソン・ウェルズピーター・ボグダノヴィッチによるインタビューで本作について「(チャールズ・)フェルドマンがパニック状態でやったこと」(p303)と言っていましたが、この映画のメイキング自体がコメディーのようです。映画にしてみたら本編よりも面白くできるかも。

そう言えば、ピーター・セラーズがこの前年に主演した『紳士泥棒ゴールデン作戦(After the Fox)』では、大掛かりな犯罪行為のカムフラージュとして映画撮影を装い、そこでムチャクチャに撮った映画が後で評論家に「天才の仕事だ」と絶賛される、というくだりがありました。
うろ覚えですが、TV放映時の解説で淀川長治が、これは監督のヴィットリオ・デ・シーカからの、アントニオーニら当時の若手監督へのあてこすりだ、と言っていたように思います。

こちらも音楽はバート・バカラックで、セラーズが『カジノロワイヤル』の撮影をすっぽかす一因になったブリット・エクランドも出演している、といった因縁もあります。

『紳士泥棒』は英米では随分前にDVDが出ているのでFoxの「リクエスト・ライブラリー」に投票してみたのですが、未だに国内発売の気配がありません。



US版DVD(2002年版)


おそらく『カジノロワイヤル』の北米での最初のDVD化がこれです。

パッケージ
画像

画像

(ケースは透明の方が黒よりもデザイン的に合うような気がしたので市販のものに替えてあります。)


基本仕様

リージョンコード: 1
映像: 2.35:1 アナモフィック(スクィーズ)
音声: 英語 DD 5.1 (新リミックス) / 英語 モノ (オリジナル) / スペイン語 モノ
字幕: 英語 / スペイン語 / フランス語 / ポルトガル語 / 英語CC
時間: 131分

パッケージには"2 hours 17 minutes"と明記されていますが、実際は131分です。
誰かが"1"と"7"を間違えたのでしょうか。


メニュー
画像

メインメニューは動画です。

特典
画像

- 1954年のTV映画版『カジノ・ロワイヤル』

このDVDの目玉はこれでしょうね。
"Climax! Mystery Theater"の一話として生放送された、映像化された史上初の007作品。

ソースの素性から無理からぬことですが、画質・音質はあまり良くないです。
しかし、十分視聴に耐えるレベルではあります。

内容的にも予想外に面白かったので驚いたものでした。

バリー・ネルソンが演じる「ジミー・ボンド」はウッディー・アレンの「ジミー・ボンド」とは別の意味で笑えますが、ピーター・ローレによるル・シッフルは存在感があって良いです。まともな映画であればゲルト・フレーベのゴールドフィンガー並の名悪役になったかもしれません。
(ダニエル・クレイグ版の『カジノ・ロワイヤル』の特典映像でもスタッフの誰かがこれに触れて、ピーター・ローレには本家のシリーズにも出演して欲しかった、というようなことを言っていました。)

ただ、演技の面で最も印象に残ったのはヒロイン役のリンダ・クリスチャンというらしい女優でした。


- メイキング"Psychedelic Cinema"

パッケージには「メイキング」と書かれていますが、実際のところ監督の一人だったヴァル・ゲストのインタビューに、時折本編映像を交えただけのものです。
ただし、このインタビューは(内容的には多少重複するものの)BD収録のメイキングの中のヴァル・ゲストのインタビューとは別物です。

- 予告編


なお、北米ではこの後2008年に2枚組の「コレクターズ・エディション」(CE)のDVDが出ました。(これは持っていません。)


TV版も"Psychedelic Cinema"もこちらには収録されていませんが、
代わりに新規に制作されたドキュメンタリ-が収録されており、
これがそのまま現行BDに収録されています。




この記事へのトラックバック